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 日本では昔から木を切って木材資源を活用し、その一方で森を育て、森林と共存してきました。しかし、今では木材ではない燃料や素材が活用されるようになり、人々の森への関心は低下。木を活用すること、森林を整備することの意義が忘れられかけているのかもしれません。林業目的で植えられた木は、切って活用しなければ、森林の荒廃にもつながります。

 山梨日日新聞社広告局は20日、森林の持続的な活用を目指して取り組んでいる、やまなしSDGsプロジェクト「moritomirai(モリトミライ)」の一環で、木製プロダクト「morini(モリニ)」シリーズを発売します。デザインを担当していただいたのは、甲府市出身の世界的なプロダクトデザイナー深澤直人さんです。子ども椅子「morinisuwaru(k)」、スツール「morinisuwaru(s)」、ワイン収納用の箱「morini ireru」の3つを先行販売し、今後アイテム数を増やします。

 いずれのプロダクトも適切に管理された山梨県産のヒノキ材で作りました。購入し、使っていただくことで森林資源の循環や森林の持続的な活用に貢献できることをコンセプトにしています。

木を切って活用する、植える、育てる、
また切って活用する―

自然に対し
思いを深めるプロダクト

moriniをデザインした深澤直人さんに、プロダクトのコンセプトや出来栄え、故郷である山梨への思いを聞きました。

 ―プロダクトの狙いを教えてください。

 「今回のプロダクトは、間伐材の利用促進が目的で始まりました。間伐材を処理しないと森の環境を守ることができないという問題は全国で提起されていますが、県土の78%が森林という山梨県で間伐材の利用にふさわしいプロダクトを作ることはとても意味深く、一般の人たちに伝わりやすいのではないかと考えています。最終的には間伐材ではなく適切に管理された山梨県産のヒノキ材を使ったプロダクトになりましたが、比較的細く小さい木材である間伐材でも作ることができるデザインです。このプロダクトにより、生活の中で環境に配慮した活動に自発的に参加できるような仕組みを作れたのではないかと思っています」​​​

 ―まずは子ども椅子、スツール、ワイン収納用の箱が完成しましたが、出来栄えはいかがですか。

 「素晴らしい出来栄えだと思います。間伐材でも作ることができ、簡単に加工や組み立てができ、日常で使いやすいものをということで、これらのアイテムを選びました。デザイン的にはそれほど新しい試みはしていませんが、スタンダードで誰もが使うことができるかわいらしいものができたと思っています。どれも邪魔にならないとてもフレンドリーなものです。シンプルに作ってありますが、デザイン的には決して手を抜いているわけではないので、皆さんに喜んでもらえるのではないかと思います」

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深澤 直人(ふかさわ・なおと)さん

人の想いを可視化する静かで力のあるデザインに定評があり、国際的な企業のデザインを多数手がける。日常生活用品や電子精密機器から家具、インテリア、モビリティ、建築に至るまで、手がけるデザインの領域は幅広く多岐に渡る。デザインのみならず、その思想や表現などには国や領域を超えて高い評価を得ている。
英国王室芸術協会の称号を授与されるなど受賞歴多数。2018年、「イサム・ノグチ賞」を受賞。多摩美術大学教授。日本民藝館館長。

子どもの成長後も部屋にあるだけで生活が和む

 ―子ども椅子〔morinisuwaru(k)〕について教えてください。

 「子どもが使う椅子には、小さい頃の思い出がずっと残ります。そんな思い出を残す、記念になるようなアイテムとして子ども用の椅子をデザインしました。『座る』という主たる目的は成長とともに少なくなっていきますが、何か物をちょっと置くなどして、部屋のどこかに子どもの椅子がシンボルとして存在するというだけで生活は和みます。このプロダクトが山梨の定番の子ども椅子として、子どもの誕生を機に記念の品として手にしていただけるとうれしいですね。県や市町村がこの山梨の木材で作った子ども椅子を、生まれた子どもたちに贈るというような試みがあってもいいのではないかと思います」

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座るだけでなく、多目的に使うことができる

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ヨーロッパでは幅広く使われているワイン収納箱

 ―スツール〔morinisuwaru(s)〕はいかがですか。

 「製材した木材を可能な限り無駄にせずに作れるような形と構造を考えました。スツールは座るだけでなく、本を置いたり、コーヒーテーブルとして使ったり、マルチパーパス(多目的)なものです。スツールではありますが、インテリアの小物としても使ってほしいです」

 ―ワイン箱も素敵ですね。

 「ワイン箱はヨーロッパなどでは、ワインを入れる用途の他にも、お店でディスプレーとして使ったり、物入れになったり、本箱になったりと長く使われています。ワインの産地である山梨でも、ワイナリーの皆さんが使うだけではなく、山梨の多くの人がワイン箱を使うということがストーリーとして非常にしっくりくるなと思って作りました。このワイン箱は、一般に流通しているものよりも上級な出来栄えになりました。経年変化によって味わいも出てきますし、スツールになったり、ローテーブルになったりと、利用する方が使い方を考えてほしいと思っています」

 ―プロダクトにどのような願いを込めましたか。

 「今回の試みは環境に配慮した活動に自発的に参加できる仕組みを作ることが目的でしたので、まずはプロダクトを手にしていただくことによって森を守るという活動への参加意識が高まればいいなと思っています。今回、山梨ブランドの木材を用いたことにより、県民の皆さんには自然に対する思いを深めてほしいと思っています」

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morini シリーズ

「森」と、場所を表す助詞の「に」を合わせた「森に(morini)」。各プロダクトには、「森に(morini)」に、使う際の「座る(suwaru)」、「入れる(ireru)」などという行為を組み合わせた名前を付けることで、「森」と「使い手」が一体化するさま、普段の生活の中に森を取り入れるというイメージを表現しました。森を育むためには、森にある材を「使う」ことも大切です。森に直接行かなくても、プロダクトを「使う」ことで森を身近に感じてほしいという願いを込めています。suwaruの後の(k)(s)は、プロダクトの子ども椅子、スツールを表しています。

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morini suwaru(k) (子ども椅子) ¥38,500(税込)

幅282×奥行き321.4×高さ451(㎜)
座面:奥行き293×高さ260(㎜) 重さ約1.8㎏

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morini suwaru(s) (スツール) ¥27,500(税込)

幅390×奥行き260×高さ440(㎜) 重さ約3.0㎏

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morini ireru (ワイン収納箱) ¥25,300(税込)

幅360×奥行き520×高さ185(㎜) 重さ約3.6㎏

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刻印入れ morini ireru (ワイン収納箱) \27,500(税込)

幅360×奥行き520×高さ185(㎜) 重さ約3.6㎏

※刻印はイメージです。

プロダクトに関するお問い合わせは… 山梨日日新聞社広告局 ☎055-231-3131(平日午前9時〜午後5時)

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